大学入試 小論文対策~「課題文読解型」の書き方を解説します

大学受験の科目で出題される「小論文」にはいろいろな形式があります。今回は、大学入試試験の「推薦型入試」や「総合選抜型入試」でよく出題される「課題文読解型」形式の対策についてポイントを解説します。課題文の趣旨を理解し、それに沿った意見を論述する形式で、苦手意識を持っている受験生も多いことでしょう。今後の試験対策に今回の記事をぜひ参考にしてください。

大学受験 小論文「課題文読解型」とは?

大学受験の小論文試験には、主に3つの形式があります。①:テーマ型 ②:課題文読解型③:資料解釈型です。今回は②の課題文読解型試験について紹介します。課題文読解型試験にもいくつかの形式があります。

1:小論文のなかで課題文の要約も盛り込む形式
2:小論文とは別で課題文の要約を行う形式
3:課題文の内容を踏まえて、自分の意見・考えを論述する形式
4:課題文の内容はあくまで参考程度として、自由に自分の意見・考えを論述する形式
5:傍線などが引かれており、その箇所に関して、自分の意見・考えを論述する形式

いずれの形式の課題文読解型小論文試験では、まず課題文を正確にかつスピーディーに読み解ける「読解力」、そして、その内容について自分の言葉で意見・考えをまとめる文章力が求められます。

大学受験 小論文「課題文読解型」形式の抑えるべきポイント

続いて、課題文読解型の小論文試験を対策するうえでのポイントについて解説します。ポイントは大きく2つ。課題文の読解、自分の意見・主張の論述についてです。

1:課題文読解のポイント

●要約を求められる形式
要約を求められる形式では、まず課題文を読み込み、要約をする必要があります。ココでは、課題文を要約するポイントを以下、3点紹介します。

・例文など文章の本論とは直接的に関係のない文は除く(文頭が「例えば~」で始まる文)
・著者の主張・結論は何か?その主張を裏付ける理由・根拠は何かを整理する(〇や矢印で関係を整理する)
・文章の中によく出現する単語(キーワード)をピックアップする。(言い換えも含め)

上記を意識し、コンパクトに著者の考え・主張をまとめることがポイントです。あまり時間をかけずに、文章に印をつけながら、現代文の問題を解くように慎重に読み進めていきましょう。

●要約を求められない形式
要約を求められない形式の場合でも、著者の主張がなにか、またその根拠としているものは何かを自分なりにまとめながら読み解くことが必要です。著書の考えに対する反論や、根拠としている事案に関する別の捉え方など、課題文に印やメモを書き込みながら読解を進めましょう。設問と課題文を読み込み、出題者の意図を正確に把握しそれに沿った解答を作成するために、課題文を正確に読み解くことが、重要となります。

2:課題文から自分の主張・意見を述べるためのポイント

課題文読解型の小論文試験では、まず課題文を読み解き、著者の主張や意見を明らかにしたうえで、自分の意見・主張を論述します。要約をしてから自分の意見を述べるのが難しいと感じる方も多いかと思います。ここでは、簡単な接続方法を以下、紹介します。いくつか小論文を実際書いていき慣れてきたら、別の形式での執筆にチャレンジしてみてください。慣れるまではこの形式がおすすめです。

●ポイント
・第1段落で課題文の簡単な要約を示す。「本文では筆者は〇〇について●●と主張している。その根拠として◎◎を挙げている」その後、自分の主張をつなげる。「私も筆者と同意見で●●であると考える」or「筆者の考えもわかるが、私は●●であると考える」

・第二段落で自分がそう考える根拠(理由・具体例・自分の経験など)をあげ展開する。

・第三段落で改めて、結論を述べる。 「以上の理由により●●である。」

大学受験 小論文「課題文読解型」形式の執筆における留意点

実際、小論文を書く上で細かい留意点について、以下紹介します。

●自分の言葉に言い換える
「課題文読解型」形式では、課題文の表現に引っ張られてしまい、自分の言葉で表現できなくなってしまうという方も多く見受けられます。課題文をそのまま丸っと引用してしまい、自分の意見がどこなのか、分かりにくい文章になってしまいます。課題文と同じ内容を表現したい場合も、できるだけ、自分の言葉に言い換えるように心がけましょう。

●要約文は端的に
課題文の要約はなるべく簡潔にまとめましょう。特に要約も小論文に盛り込む形式以外の場合は、要約部分が多くなりすぎると自分の意見・主張が少なくなってしまい、得点が取れない可能性もあります。要約は簡潔に、短くまとめましょう。

大学受験の小論文試験 「課題文読解型」試験を攻略して志望大学に合格しよう。

今回の記事では大学受験の小論文試験「課題文読解型」についての対策方法を解説しました。課題文読解型は、課題文を正確に読み解く読解力と、課題文の主張から自分の意見・考えを表現できる文章力が求められます。今回の記事を参考に2つの能力を伸ばし、対策を進めてください。